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2007年12月18日 (火)

失恋ソングベストテン~サヨナラバス

失恋した時に聴きたい曲ベストテン(3) ~サヨナラバス~ 試聴

1999年に発売されたゆずの5枚目のシングル『サヨナラバス』。『わかれうた』が大人のほろ苦い恋を描いているのに対して、こちらは青春の甘酸っぱい恋を描いた秀作。若さ故に、恋に対しても不器用。なんで、あの時あの言葉が出てこなかったんだろう…。そんなかつての青春を思い出しながら聴いてみると乙な曲です。

=『サヨナラバス』な世界=

高校の卒業式も終わった3月、僕たちはバス停へと向かって歩いていた。いつもなら賑やかに会話しながら歩くこの道も今日は沈黙だけが流れていた。後ろから彼女のすすり泣く声がかすかに聞こえたけど、僕は気づかない振りをして石ころを蹴飛ばしながら歩き続けた。
(回想)
「私、東京の大学を受験しようと思うんだ。私の夢に1番近づける気がして。」
「そうなんだ」
「涼くんは地元の大学に進学するんだよね」
「うん」
「離れ離れになっちゃうね」
「うん」
「でもその大学すごいレベル高いし、私の実力じゃ落ちちゃうかも」
「そんなことないよ。純ちゃん、最近すごい勉強がんばってるし、きっと合格できるよ」
「でも合格したら、もう会えなくなっちゃうね」
「うん」
(回想終わり)
バス停に立つ僕の視界にバスが入ってきた。今ならまだ間に合う…。でも言葉が出てこない。たった一言、たった一言でいいのに…。
(回想)
「涼くん、私合格したよ! 嘘みたい」
「そう…、おめでとう」
「あんまり嬉しくないみたい」
「そんなことないよ」
「やっぱり行くのやめようかなー。今からでも地元の大学を受けることもできるし」
「……」
「行ってほしくない?」
(回想終わり)
バスに乗り、お釣りを待つ彼女が笑顔で振り返った。この笑顔もしばらく見れないのかと思うと、どうしようもなく悲しかった。でも僕は涙がこぼれそうになるのを必死でこらえて、精一杯の笑顔を返した。
「またすぐに逢えるよね」
「うん、もちろん。元気でね」
プシューという音を立てバスの扉が僕たちの会話を阻んだ。静かに走り出すバスの中で、彼女は手を振り続けた。僕も負けずに手を振り続けた。サヨナラ、また笑って話せるその日まで。

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2007年12月17日 (月)

失恋ソングベストテン~わかれうた

失恋した時に聴きたい曲ベストテン(2) ~わかれうた~ 試聴

中島みゆきが初めてオリコンシングルチャート1位を獲得した『わかれうた』。前回は『祭りのあと』を紹介しましたが、世の中の男が、あんなお人好しばかりだと思ったら大間違い。自分のことしか考えない自己中ナルシスト男も星の数ほどいる。そうだそうだと共感できる女性にはぜひ聴いてほしい1曲です。

=『わかれうた』な世界=

夜遅く会社で残業していたら彼からメールが入った。今から会いたいなんて勝手もいいところ。用件はおおよそ見当がついたものの、それ以上は何も聞かず、とりあえず待ち合わせの場所に向かった。
「悪かったな。突然呼びつけたりして」
「いいの。で、用件は何?」
「俺たち、もう終わりにしないか」
「何の前振りもなくはっきり言うのね」
「いや、こういうのは、はっきり言ったほうがいいと思って」
「私といる時が1番幸せって言ったのはあなたよ」
「あの時はあの時だよ。人の心は移り変わるもんだよ」
「私の心はまだ…」
「わかってくれよ。俺のことを1番理解してくれてるのはお前だろ」
その時、彼の携帯が鳴り響いた。
「ごめん、そういうことだから。お前もいい男探せよ。それじゃあな」
彼はそう言うとすぐに携帯に出て楽しそうに話しながら立ち去っていった。黙って見送る私の目からは涙がとめどなく出てきた。別れが悲しくて泣いているのではない。あんな男を一瞬でも好きになった自分が悔しかったのだ。

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2007年12月16日 (日)

失恋ソングベストテン~祭りのあと

失恋した時に聴きたい曲ベストテン(1) ~祭りのあと~ 試聴

1994年に発売された桑田圭祐、5枚目のシングル『祭りのあと』。女性よりも男性、それもさえない男性が聞くとよりぐっと来る失恋ソングです。優しいだけじゃ馬鹿を見るのは分かっている。でもあえてそんな馬鹿やるのもいいんじゃないの?というメッセージが込められている気がします。

=『祭りのあと』な世界=

深夜遅く家へと向かう電車の中で、彼女との恋を想いだしていた。
入社3年目というのに、一向にうだつが上がらない俺に優しく声をかけてくれたのが彼女だった。「ため息一つつくたびに幸せが一つ逃げるって知ってました?」。その後も彼女は俺が仕事で失敗する度に慰めてくれた。いつしか彼女の励ましだけが俺の心の支えになっていた。どちらから告白したわけでもなく成り行きで付き合うようになった俺たち。しかし俺には自信がなかった。彼女をつなぎとめておくだけの自信が…。
「あのさぁ、俺のどこが好き?」
「えっ、なに急に」
「いや、何で俺なんかと付き合ってくれてるのかなぁと思って…。俺よりいい男なんて幾らでもいるし、2課の山田とかさ」
「…」
「やっぱりか。実はあいつと俺、同期入社でさ。この前、いい女を見つけたとかメールが来て、特徴聞いたら、お前じゃないかなって。あいつ1度決めたら即行動に移すタイプだし、もう告白とかされた?」
「だったらどうする? 私がなんて答えたか知りたい?」
「いや、聞かなくてもわかるよ。あいつは俺より断然いい男だし、そりゃあ、あいつを選ぶよな。でも、その方がお前も幸せになれると思うよ」
「そう…。じゃあ私、山田さんを選ぶわ。実は返事待ってもらっていたんだ。でも今のあなたの言葉で決心がついた。優し過ぎるのね。もうちょっと自分に自信もった方がいいよ。あなた、自分が思っているよりいい男なんだから。それじゃあ、さようなら…」
駅に降りると、冷たい秋風が俺を包んだ。はぁ。「あっ、また幸せが一つ逃げたか。ふふっ、まったく情けない男だぜ」

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