失恋ソングベストテン~祭りのあと
失恋した時に聴きたい曲ベストテン(1) ~祭りのあと~ 試聴
1994年に発売された桑田圭祐、5枚目のシングル『祭りのあと』。女性よりも男性、それもさえない男性が聞くとよりぐっと来る失恋ソングです。優しいだけじゃ馬鹿を見るのは分かっている。でもあえてそんな馬鹿やるのもいいんじゃないの?というメッセージが込められている気がします。
=『祭りのあと』な世界=
深夜遅く家へと向かう電車の中で、彼女との恋を想いだしていた。
入社3年目というのに、一向にうだつが上がらない俺に優しく声をかけてくれたのが彼女だった。「ため息一つつくたびに幸せが一つ逃げるって知ってました?」。その後も彼女は俺が仕事で失敗する度に慰めてくれた。いつしか彼女の励ましだけが俺の心の支えになっていた。どちらから告白したわけでもなく成り行きで付き合うようになった俺たち。しかし俺には自信がなかった。彼女をつなぎとめておくだけの自信が…。
「あのさぁ、俺のどこが好き?」
「えっ、なに急に」
「いや、何で俺なんかと付き合ってくれてるのかなぁと思って…。俺よりいい男なんて幾らでもいるし、2課の山田とかさ」
「…」
「やっぱりか。実はあいつと俺、同期入社でさ。この前、いい女を見つけたとかメールが来て、特徴聞いたら、お前じゃないかなって。あいつ1度決めたら即行動に移すタイプだし、もう告白とかされた?」
「だったらどうする? 私がなんて答えたか知りたい?」
「いや、聞かなくてもわかるよ。あいつは俺より断然いい男だし、そりゃあ、あいつを選ぶよな。でも、その方がお前も幸せになれると思うよ」
「そう…。じゃあ私、山田さんを選ぶわ。実は返事待ってもらっていたんだ。でも今のあなたの言葉で決心がついた。優し過ぎるのね。もうちょっと自分に自信もった方がいいよ。あなた、自分が思っているよりいい男なんだから。それじゃあ、さようなら…」
駅に降りると、冷たい秋風が俺を包んだ。はぁ。「あっ、また幸せが一つ逃げたか。ふふっ、まったく情けない男だぜ」
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